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XIENCE Xpedition[トレードマーク] 48 [仕事]

2013年5月21日から24日までEuroPCR 2013という
世界規模のカテーテル治療の学会がフランスはパリで開催されています.

お知り合いの先生方が、数多くこの学会に参加されており
日々、FBなどの投稿で、現地のホットな情報を知らせてくれます.

Euro PCR 2013では、文字通り、世界最速、世界最新の医学情報が紹介されるため
カテーテル治療に携わるドクターには、とても重要な学会です.

そしてこの領域に携わるドクターや医療スタッフ、そして関連メーカーが
しのぎを削る場所でもあります.

 europcr.com

euro-PCR.gif

私は、国内で留守番と仕事ですので、座学でネットで情報検索です.

狭心症のカテーテル治療にとって基本的なデバイスである冠動脈ステントについては
今年は、BVS(bioresorbable vascular scaffold)が話題だそうです.

関連するメーカーさんによる企業努力と切磋琢磨と現場からのフィードバックにより
冠動脈ステントの進化が続けられています.

BVSは、国内では治験の段階であり、現在、日本で一般的に使用されているのは
薬剤溶出ステントです.

国内で使用可能な薬剤溶出ステントは、テルモさんのNoboriステント
MedtronicさんのResoluteステント、ボストンさんのPromusステント
そしてアボットさんのXienceステントがあります.

薬剤溶出ステントの端緒を開きながら、諸般の事情で冠動脈ステントの開発から
撤退したメーカーもあります.ある意味、F-1の世界のようです.

Abbott Announces CE Mark for World 's Longest Coronary Drug Eluting Stent | May 21, 2013

Xpedition.gif

今回、アボットのXIENCE Xpedition[トレードマーク] 48がヨーロッパでCEマークを取得したそうです.
まだ海外だけで、国内はこれからですが、長い冠動脈病変にも対応できるように
48 mm長の薬剤溶出ステントが使用出来るようになったということです.

複雑病変、びまん性病変、CTO病変などの治療において、基本的には狭窄病変を
冠動脈ステントでフルカバーすることが必要になります.

数本の短いステントを何本も使用するよりも、長いステントを使うほうが
治療手技のをシンプルに終える事が出来て、トータルの被曝時間の軽減も期待されます.

国内では保険制度の規定により、一回の冠動脈カテーテル治療で使用できる
ステントの本数が規定されています.
そのため長い病変や複雑病変の治療においては、長いステントを使うほうが
保険制度や経済的側面からも有用な場合があります.

冠動脈病変の形態やプラーク正常によって、ステントの種類やステントのサイズを
適切に選択していくわけですが、48 mmの長さを有するXIENCE Xpedition[トレードマーク] 48が
日本国内で使用可能になれば、さらに治療の選択の幅が拡がる事が期待されます.

現時点では世界最長の冠動脈薬剤溶出ステントです.
一本のステントで長い病変の治療が館慮するというのは、とてもスマートです.

医療デバイスの開発には、多くの資金と人材投入が必要になるわけですが
より良い冠動脈ステント開発に向けて、努力を続けている各メーカーさんの方々には
地方の現場からですが、日々感謝をしています.

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