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Manual of Research Techniques in Cardiovascular Medicine [日記]

学生時代に基礎医学の教室の実験のお手伝いなどがありました.
教室の先生から資料として渡されたものは英語で書かれたラボマニュアルでした.

その当時、図書室に並んでいた日本語の実験マニュアルに比べると
かなりプラクティカルかつ最新の内容が書かれてあってとても感心しました.

まあ私のつたない英語では、そのままでは十分に理解出来なかったので
半分以上は、オーベンや先輩に口頭で聞いていました.

研修医になると、ハリソンやセシルの原書を片手に病棟に出かける
勉強熱心な先生もいらっしゃいましたが私にはそんな根性はありませんでした.

日本語のあの有名な内科レジデントマニュアルが登場する前のことでしたので
利用出来るのはワシントンマニュアルだけでした.
貧乏研修医とて日本語を買うのももったいなく、辞書片手に原著で頑張りました.

英語さえもっと堪能であれば、欧米の詳細なマニュアルを使いこなせたのですが
結局、学生時代の英語の予習よろしく、沢山書き込みしたものです.

ワシントンマニュアルを前に、アメリカは本当にマニュアル重視なのだなと感じました.
 
 
Manual of Research Techniques in Cardiovascular Medicine

Manual of Research Techniques in Cardiovascular Medicine

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: Wiley-Blackwell
  • 発売日: 2014/03/17
  • メディア: ハードカバー



この本は、心血管領域における研究マニュアルです.
実際の研究・実験におけるより詳しい方法やテックニックが掲載されています.
心血管領域における“how-to-do-it”研究マニュアルです.

内容は本当にマニアックでありプラクティカルです.
・Caclium transient ex vivoの測定
・遊離心筋細胞における細胞内 Calcium cyclingの測定
・遊離心筋細胞におけるパッチクランプ法の実際
・心臓のOptical Mapping
・Stem cellの分離法
・iPS 細胞作成の方法
・平滑筋細胞の分離と培養
・冠動脈 Ligation法の実際
・心不全モデルの作成
・心筋細胞の免疫組織学的分析の方法
・心筋細胞におけるミトコンドリアの’分離
・Gene Expressionの解析
などなどかなり詳細、かつ具体的な内容です.

アカデミックな施設とは違い地方の民間病院での勤務ですので
ここに書かれた多くの実験的手法の実際は、ほとんど日常の仕事には役に立たないです.

でも日頃の文献の勉強で、文献には簡単に書かれてある研究手法や実験的手法を
この本でもう少し詳しく知っておくことで、医学研究への理解が少しは深まると思います.

臨床だけでなく日本における基礎医学的研究が、この世界へ重要な貢献をなしており
そしてこの分野の研究に携わる多くの方々の努力と頑張りに敬意を表して
この本を手元に置いておこうと思います.

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