SSブログ

大人のための嘘のたしなみ

昔、一緒だった上司は、毎日顔を見るだけで巨人が勝ったかどうか
すぐわかりました.巨人が勝つと機嫌が良くて、負けると無愛想になるんです.

また昔、一緒だった外科の先生は、患者さんにはとても優しかったのですが
廊下を歩いている足音から、機嫌の善し悪しが判るという感じでありました.

私の周りにいた先生方は、どうも純粋というか、一本気な先生が多いような感じで
曲がった事が大嫌いで、嘘をつくのが下手な人が多いような気がします.

かくいう私も、ご多分にもれず、外来や回診などの仕事の時には
患者さんに優しくを心がけていますが、それ以外ではついつい地が出てしまいます.

特に仕事に追われて疲れていたり、ストレスがたまっていると
どうしても愛想笑いがぎこちなくなります.

それでも研修医時代に比べると経験と年齢を重ねた分
少しは感情のコントロールとか、表情のコントロールとかうまくなったつもりです.


大人のための嘘のたしなみ (幻冬舎新書)

大人のための嘘のたしなみ (幻冬舎新書)

  • 作者: 白川 道
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2006/11
  • メディア: 新書




医療の世界でも、たとえば癌の告知の問題のように、全ての真実を伝えることに
躊躇する状況があります.

状況によっては、家族と相談の上、患者さんの安心のために、ささやかな嘘が
必要になることもあります.

地方の田舎では、特にご高齢の方々にお話する時には、どのように伝えるか
いつも頭を悩ませる事が多いです.難しい問題です.

最近、仕事の関係で、ちょっとつらい出来事がありました.
悪質な嘘はなかったと信じていますが、その後の作業に大きな影響を及ぼして
かなり途方にくれてしまいました.

有言実行、不言実行、出発点に嘘がなくても、行動と結果が伴わなければ
結局はこの社会では、嘘と思われダメ出しされてしまいます.

家庭も仕事も、地道にこつこつと出来る事を積み重ねるのが
遠回りのようで一番確実なのだと思います.

白川透氏のこの本、心に染みました.

泣きたい時には泣いて、腹が立つ時には腹を立て、そして思いっきり笑いたいです.

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。