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2日目 [学会、研究会、研修]

7月15日もウインク愛知で開催中の
第4回下肢救済・足病学会学術集会2日目の参加です.

深夜に緊急で呼ばれてちょっと睡眠不足気味で会場に向かいました.

1.2日目.gif

この日は朝から血管内治療 (EVT) のセッションが沢山でした.
学会も2日目からは循環器科の先生方がちらほらと参加されて
お知り合いの先生のお顔も見かけました.

2.2日目.gif

関西労災の飯田先生のご発表です.BKのEVTの現況についてお話されました.

ラザフォード6の救肢率については、糖尿病、低アルブミン血症、感染、年齢、
末期腎不全、低心肺機能などが予後規定因子となるそうです.

循環器科医師がゲートキーパーとしてEVTを含めた患者さんの情報を
形成外科や血管外科にしっかりと伝えて、より適切な治療を
連携して目指すべきというお話でした.

救肢の現場では、論争ではなく連携が重要です.
Non-Stenting Zoneの血栓内膜摘除術は、やはり血管外科医にお願いしなければなりません.

3.2日目.gif

CLIの実際について岸和田徳洲会病院の横井良明先生のキーノートレクチャーがありました.

きちんとしたインターベンション実施のためには当たり前のことですが
BK三分岐および足の血管アーチの明瞭な造影がふかけつであると強調されてました.

Peronel artery優位のSingle Lineの場合には、末梢での二分肢をきちんと
描出することが不可欠で、さらに2本以上の開存性を目指すべきとのことでした.

EVTのエンドポイントのけっていにおいては、開存させた血管の数だけでなく
ターゲットとなる創傷部の造影剤濃染 (Wound Blush) が有用であるようです.

重症下肢虚血に対する血行再建(バイパス術、血管内治療)の
臨床的有効性と安全性を比較検討するSPINACHレジストリについても紹介されました.

下肢潰瘍の治療においては虚血のみならず、静脈うっ滞の問題も考慮しなければならず
うっ滞の原因となった静脈不全穿通枝は立位のエコーで確認することができ
治療は局所麻酔で簡単に結紮できることが紹介されていました.

神戸大学形成外科の寺師先生からはAngosomeについて伺いました.

CadevorからのデータであるAngiosomeは、生体での血行再建後には
動的に変化するものと考えるべきで創傷への血行動態をきちんと
把握するべきとお話されました.

そのためには治療により動的に変化したAngiosomeをきちんとみることが
重要でありDirectでもIndirectでもWound blusがh出来ていれば
良好な創傷治癒が期待出来るとのことでした.

札幌医科大の東先生からは「Living angiosome staining」として
インドシアニンブルーを血管に投与し特殊な測定機器を用いて創傷部位への
血流とangosomeを可視化する研究も紹介されました.

動的なAngiosomeを可視化する技術ということで素晴らしい研究です.

循環器科医、血管外科医、形成外科医の先生方の連携とチーム医療は
言葉でいうのは簡単ですが歴史的背景も含めて、これから頑張るべき課題です.

特に地方の病院で血管外科医がいない病院では切実な問題です.

EVTを誰がメインでやるのかも議論のあるところのようです.

冠動脈インターベンションについては、昔は心臓外科医の先生が
やっておられた時期もありましたが、今は循環器科医師がメインで行なっています.

EVTについてはどうなっていくのかは、これからの課題だと思いますが
こうした多くの専門家と職種がクロスオーバーしている学会に
私たち循環器科医も積極的に参加していく必要があると思います.

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