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「第5の戦場」サイバー戦の脅威 [日記]

2005年に出版され話題となった村上龍氏の「半島を出よ」は
本当に衝撃的な内容で記憶に残っています.


半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫)

半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2007/08
  • メディア: 文庫



詳しくは本書を読んでいただくとして
北朝鮮の特殊部隊である「高麗遠征軍」が2011年の日本に
解決困難なテロリズムを仕掛けてくるというストーリーでありました.

そしてすでに物語の舞台となった2011年を超えて2012年となりました.

2011年7月、米国防省は「サイバー空間」を
陸・海・空・宇宙空間に次ぐ「第5の戦場」であるとし
サイバー攻撃に対して武力で反撃すると宣言したそうです.

時代はすでにサイバー戦に突入しているようです.

アメリカのこのステートメントは逆にいえば
サイバー攻撃の危険性が現実のものであることを教えてくれるものです.


「第5の戦場」 サイバー戦の脅威(祥伝社新書266)

「第5の戦場」 サイバー戦の脅威(祥伝社新書266)

  • 作者: 伊東 寛
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2012/02/02
  • メディア: 新書



本書の冒頭で、実際に日本がサイバー攻撃を受けたら
どのような結果に陥るかがシミュレートされています.

かなり衝撃的なシミュレーションであり、必ずしも架空の話ではなく
サイバー攻撃の脅威が現実となってもおかしくない状況だそうです.

システムインフラの整備の進んでいる先進国では
常にサイバー攻撃の脅威にさらされているというのは驚きです.

逆に情報インフラ整備の遅れている北朝鮮では
サイバー攻撃に対して防御力が高いというのは興味深い話です.

急速に普及したスマートフォンも、ある意味小さなパソコンであり
知らないうちにハッキングされサイバー攻撃の道具として使われる
可能性もあるそうです.

実際にそうした事案があり、スマートフォンを通じての盗聴などの
事件も発生しているそうです.

現在進行形でのサイバー戦の脅威について、様々な局面から
この書では詳細に紹介されています.

DDoS攻撃、ゼロデイ攻撃などなど聞きなれないですが
この書で詳細を知ると、その内容に驚かされます.

時にニュースになる国内の様々な場所でのいわゆる「システム障害」も
実はサイバー攻撃が少なからず関与している可能性があるとのことです.

神林 長平氏に「敵は海賊」という作品があります.
その作品の中でラジェンドラという対コンピューターフリゲート艦が
登場するのですが、「CDS」と呼ばれる発射した範囲に存在する
すべての光電子回路を搭載したコンピュータを破壊する兵器を
備えている設定となっています.

SF作品の中の架空の設定と思っていましたが
実際に、EMP(Electromagnetic Pulse / 電磁パルス)として
現実に使用される恐れがあるそうです.

日本ではサイバー戦略の立ち後れがあり由々しき事態であると著者は
述べられています.

平和国家として日本が目指すべき方向としては
「トレースバックの標準化の獲得をめざすこと」とのことです.

さらにはレガシーシステムの温存も有効だということです.

最近はSNSやネットを通じて、個人情報の漏えい問題がニュースになっています.

サイバー戦や紛争はともかくとして、私たちも個人情報の取り扱いには
今まで以上に神経を使うべき時代になっています.

まずは個人のネットでのセキュリティを高めていって
サイバー戦についての知識も深めることが大事だと思います.

この書では、個人個人がサイバー攻撃から身を守る具体的な
方策についても書かれてあり、さっそく実践しようと考えます.

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ふりーだむ

ようやっと
ラジェンドラの本物が就航しても
おかしくない時代が到来しましたね

ぜひともラテルやアプロの本物と
毒舌合戦を演じて欲しいものです

うれしい?ような怖いような・・・
by ふりーだむ (2012-02-13 16:58) 

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