下山の思想 [好きな本]
若い頃は、3日に一回の当直をこなしつつ
緊急や救急の際も、手伝いに駆り出されて「眠れない夜」を
過ごしたものですが、けっこう頑張ることが出来ていました.
若さゆえのことで、体力的には研修医のころが一番ピークでした.
知識や技術が増えていくとともに、体力は少しずつ
ゆるやかに落ちていっているようです.
夜間の救急が終わった後や、当直勤務のあとは
昔に比べるとどっと疲れがたまって一晩寝ても、まだダメな感じです.
人生や仕事のピークがどこにあるのか、なかなか判断は難しいところです.
体力的には若い頃に比べて落ちていますが
その分、経験や知識や技術で補いつつ、厳しい状況に直面しても
なんとか対応出来るようになってきたのは
まだ成長の途中というべきなのでしょうか.
ーどんなに深い絶望からも人は立ち上がらざるを得ない.
すでに半世紀も前に、海も空も大地も農薬と核に汚染され、
それでも草木は根づき私たちは生きてきた.
再生の目標はどこにあるのか.
再び世界の経済大国を目指す道はない.
敗戦から見事に登頂を果たした今こそ、実り多き「下山」を
思い描くべきではないか.
「下山」とは諦めの行動ではなく新たな山頂に登る前の
プロセスである.
未曾有の大災害に直面し復興に努力を続けている私たち日本人に
成長神話の呪縛を捨てて、新たな人間と国の姿を
五木寛之氏が示してくれる良書であります.
私たち日本人は高峰をめざして、必死で登ってきたわけですが
それは世界を驚かす奇跡の登頂でした.
しかし、そのために相当な無理を重ねてきたのではないでしょうか.
そんなふうに五木氏はこの書で語られています.
時代はまさに「下山の時」であり、復興をめざす努力の中で
新しい理想を持って新しい社会を目指すべきであると.
これからの自分の生き方を考える指針として有用な一冊です.
医師の仕事も登頂と下山を繰り返しているようです.
大学病院や大きな病院での仕事だけが唯一めざすべき山頂ではなく
医療の分野にもさまざまな医師としてめざすべき山頂があります.
将来、カテーテル治療や救急医療の世界の山頂から下山しても
五木寛之氏の言われるように、ゆっくりと下山しながら
次なる分野の山頂をめざすべく過ごしていきたいものです.
緊急や救急の際も、手伝いに駆り出されて「眠れない夜」を
過ごしたものですが、けっこう頑張ることが出来ていました.
若さゆえのことで、体力的には研修医のころが一番ピークでした.
知識や技術が増えていくとともに、体力は少しずつ
ゆるやかに落ちていっているようです.
夜間の救急が終わった後や、当直勤務のあとは
昔に比べるとどっと疲れがたまって一晩寝ても、まだダメな感じです.
人生や仕事のピークがどこにあるのか、なかなか判断は難しいところです.
体力的には若い頃に比べて落ちていますが
その分、経験や知識や技術で補いつつ、厳しい状況に直面しても
なんとか対応出来るようになってきたのは
まだ成長の途中というべきなのでしょうか.
ーどんなに深い絶望からも人は立ち上がらざるを得ない.
すでに半世紀も前に、海も空も大地も農薬と核に汚染され、
それでも草木は根づき私たちは生きてきた.
再生の目標はどこにあるのか.
再び世界の経済大国を目指す道はない.
敗戦から見事に登頂を果たした今こそ、実り多き「下山」を
思い描くべきではないか.
「下山」とは諦めの行動ではなく新たな山頂に登る前の
プロセスである.
未曾有の大災害に直面し復興に努力を続けている私たち日本人に
成長神話の呪縛を捨てて、新たな人間と国の姿を
五木寛之氏が示してくれる良書であります.
私たち日本人は高峰をめざして、必死で登ってきたわけですが
それは世界を驚かす奇跡の登頂でした.
しかし、そのために相当な無理を重ねてきたのではないでしょうか.
そんなふうに五木氏はこの書で語られています.
時代はまさに「下山の時」であり、復興をめざす努力の中で
新しい理想を持って新しい社会を目指すべきであると.
これからの自分の生き方を考える指針として有用な一冊です.
医師の仕事も登頂と下山を繰り返しているようです.
大学病院や大きな病院での仕事だけが唯一めざすべき山頂ではなく
医療の分野にもさまざまな医師としてめざすべき山頂があります.
将来、カテーテル治療や救急医療の世界の山頂から下山しても
五木寛之氏の言われるように、ゆっくりと下山しながら
次なる分野の山頂をめざすべく過ごしていきたいものです.
年をとるごとに成長してるとは思うのですが、仕事以外でもまだまだと感じることが多々あります(汗)
この本は知りませんでしたが、なるほどですね。五木さんの本は年齢を重ねると共に共感することが多いです。
by T-CHIRO (2011-12-15 09:09)
この本、ぜひ読んでみたいと思います。
しかし私達、若手(まだ若手だと思っています^^)の医師は
ベテランの先生方が山を登ってこられた経験に助けられて、登山の一歩一歩を歩めている気もします。
しかも同じ種類の山を登られた先輩のお話・御意見は、とくに貴重だと最近実感しているところです。
by Kite (2011-12-15 10:24)
とても共感しました。
そこに山があるから昇りますが、やがて下るときがでてきます。
昇りよりも下りの方がとても気を使いますし、体力も消耗していると
思います。
山は人生そのものをあらわしているんだと再認識しました。
いつも参考になるブログで、毎日の更新をとても楽しみにしております。
年末年始と忙しい時期だとは思いますが、寒くなりますので、
ご自愛くださいませ。
by G (2011-12-15 11:49)
yangt3先生お疲れさまです。
さっそく昨日この本を買ってきました。
まだ途中までしか読んでいませんが、本当に考えさせられますね。
人は年齢と共に成長しなければならないはずですが、往々にして思うようには行きません。
年甲斐もなく・・と反省する事が多々あります。
体力は年齢と共に衰えても、頭は使うほど良いと聞きますが、どうなのでしょうか。
ただ若い時の様に、体力勝負のような訳は行きませんが、何歳になってもその時々にできることがあるはずです。
急降下しないでゆっくりと周囲を見つめながら、丁寧に生きて生きたいと思います。
by andante (2011-12-17 23:13)
>T-CHIROさん、コメントありがとうございます.
こちらが年をとり経験を重ねることで
新たな本との出会いがあるように思います.
by yangt3 (2011-12-25 11:15)
>Kiteさん、コメントありがとうございます.
ブログでは、さまざまな制限がありますが
最近ではフェイスブックを始めとして、諸先輩方の
貴重な経験を、いろいろな形で共有する場が増えてきました.
私もまだまだ勉強の身です.
by yangt3 (2011-12-25 11:17)
>Gさま、コメントありがとうございます.
この先にどんな登山や下山が待っているか
まだまだ先は見えません.
ただ一人きりの道行きでなく、最近では
家族や仲間とともにという気持ちで、自分に出来ることを
地道にやって行きたいと思います.
by yangt3 (2011-12-25 11:21)
>andanteさん、コメントありがとうございます.
若い人には若い人の役割があり
年輪を重ねたベテランには、それに応じた役割があり
さまざまな山があるように、いろいろな人たちの経験が重なって
より良い社会になるのではないでしょうか.
by yangt3 (2011-12-25 11:22)