人は、永遠に輝く星にはなれない [日記]
病院ではいろいろな職種の専門職の人たちが働いています.
医師や看護師、臨床検査技師、放射線科技師、リハビリ、医事科など
病院の規模が大きくなればなるほど、多くのスタッフが必要になります.
研修医として病院の仕事を始めた時には、本当に右も左も分からない状態で
上司の指導医には叱られ、病棟でおたおたしているとベテラン看護師さんからも
叱られ、最初のうちはちょっと身の置き所に困るような状態でした.
医療知識や医療技術などは、自分で教科書で勉強したり
上級医師に指導を仰いだりしてなんとかやりくりしていました.
けれど自分の受け持ち患者さんの生活指導や、退院後の生活の指導など
医学生の頃にはあまり縁のなかった、こうした実際的な生活サポートが
とりわけ難しい問題でした.
こんな時にベテランの医事科職員やMSW(メディカルソーシャルワーカー)と
呼ばれる専門スタッフが親身に相談に乗ってくれたものです.
いつも叱られっぱなしの研修医にとっては、唯一叱られずに接する事のできた
メディカルソーシャルワーカーさんには随分沢山のことを学びました.
そんなわけでメディカルソーシャルワーカーさんが主人公の小説です.
なんだかタイトルだけで、なんか涙腺が刺激されてしまいました.
とある総合病院で医療ソーシャルワーカーとして働く女性が主人公です.
たった一人で病院の医療相談室を切り盛りしているという設定です.
41歳で独身なんて、ちょっとリアルな設定です.
脊髄損傷で、自暴自棄からリハビリを拒否する男性患者さん.
突然の子宮ガン宣告に、ショックで気が動転した独身女性.
意識障害を起こし錯乱状態になって入院してきた高齢の独り暮らしの男性.
アルコール中毒でなんども入院を繰り返す男性.
脳梗塞で倒れて生活の基盤が崩れてしまった男性.などなど
私たちの医療の現場で、日々遭遇する、とてもリアルな光景が描写されています.
通常の医療小説とは違い、専門的な医学知識の羅列はありません.
そのかわり突然の病に戸惑い苦しみもがく普通の人たちとその家族の様子が
一人のメディカルソーシャルワーカーの目を通じて淡々と描かれます.
病院の日々の仕事に追われる医師や看護師にとっては
生活支援がとても大切な問題であると分かっていても
なかなかゆっくりと時間をとって患者さんと
向き合う時間がとれないのが実情です.
それに患者さんや、その家族の方々にもメディカルソーシャルワーカーという
仕事については、まだまだ知られていないように思います.
この作品が多くの医療に関心のある方々の目にとまって
医療現場の風通しが少しでも良くなるようにと願ってやみません.
皆さんにお勧めの一冊です.
医師や看護師、臨床検査技師、放射線科技師、リハビリ、医事科など
病院の規模が大きくなればなるほど、多くのスタッフが必要になります.
研修医として病院の仕事を始めた時には、本当に右も左も分からない状態で
上司の指導医には叱られ、病棟でおたおたしているとベテラン看護師さんからも
叱られ、最初のうちはちょっと身の置き所に困るような状態でした.
医療知識や医療技術などは、自分で教科書で勉強したり
上級医師に指導を仰いだりしてなんとかやりくりしていました.
けれど自分の受け持ち患者さんの生活指導や、退院後の生活の指導など
医学生の頃にはあまり縁のなかった、こうした実際的な生活サポートが
とりわけ難しい問題でした.
こんな時にベテランの医事科職員やMSW(メディカルソーシャルワーカー)と
呼ばれる専門スタッフが親身に相談に乗ってくれたものです.
いつも叱られっぱなしの研修医にとっては、唯一叱られずに接する事のできた
メディカルソーシャルワーカーさんには随分沢山のことを学びました.
そんなわけでメディカルソーシャルワーカーさんが主人公の小説です.
なんだかタイトルだけで、なんか涙腺が刺激されてしまいました.
とある総合病院で医療ソーシャルワーカーとして働く女性が主人公です.
たった一人で病院の医療相談室を切り盛りしているという設定です.
41歳で独身なんて、ちょっとリアルな設定です.
脊髄損傷で、自暴自棄からリハビリを拒否する男性患者さん.
突然の子宮ガン宣告に、ショックで気が動転した独身女性.
意識障害を起こし錯乱状態になって入院してきた高齢の独り暮らしの男性.
アルコール中毒でなんども入院を繰り返す男性.
脳梗塞で倒れて生活の基盤が崩れてしまった男性.などなど
私たちの医療の現場で、日々遭遇する、とてもリアルな光景が描写されています.
通常の医療小説とは違い、専門的な医学知識の羅列はありません.
そのかわり突然の病に戸惑い苦しみもがく普通の人たちとその家族の様子が
一人のメディカルソーシャルワーカーの目を通じて淡々と描かれます.
病院の日々の仕事に追われる医師や看護師にとっては
生活支援がとても大切な問題であると分かっていても
なかなかゆっくりと時間をとって患者さんと
向き合う時間がとれないのが実情です.
それに患者さんや、その家族の方々にもメディカルソーシャルワーカーという
仕事については、まだまだ知られていないように思います.
この作品が多くの医療に関心のある方々の目にとまって
医療現場の風通しが少しでも良くなるようにと願ってやみません.
皆さんにお勧めの一冊です.
おつかれさまです。
同じくタイトルでぐっと惹かれました(^^)
ぜひ読んでみたい本ですね。GETしたいと思います。
いつもご紹介して頂いてる書籍、結構真似させて頂いてます。
by Bluemoon (2011-06-16 19:41)
yangt3先生お疲れ様です。
病気等である日突然障害が残ったり、それまで築き上げてきた仕事も出来なくなって途方にくれる事が、生きている間に起こる事もあるのでしょうね。
持病で入退院を頻繁に繰り返していた人が、専門学校へ行きメディカルソーシャルワーカーの道を行きました。
自分が辛い思いをしてきた分、その何倍も優しく人には接している事と思います。
この本は、早速注文して読んでみます。
先生のご紹介の本は、本大好きで休日には何時も図書館通いの友人にも貸してあげて、とても喜ばれています。
by andante (2011-06-17 00:11)
>Bluemoonさん、コメントありがとうございます.
もう私は読み終えて皆さんに進めているところです.
医療現場で働く人は誰でも皆頑張っているので
いろいろな職種を紹介して欲しいと思います.
by yangt3 (2011-06-19 20:45)
>andanteさん、コメントありがとうございます.
どの職種も同じですが、ソーシャルワーカーも
とても難しく困難な仕事だと思います.
お互いの仕事を尊重することも大切なことですね.
by yangt3 (2011-06-19 20:46)