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原子炉時限爆弾 [日記]

落合先生のお勧めにより、私もこの本を読んでみました.


原子炉時限爆弾

原子炉時限爆弾

  • 作者: 広瀬 隆
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2010/08/27
  • メディア: 単行本



現在の日本の状況を考えればどうしても避けては通れない本です.

専門外のことに関しては、どうしても感情的になったり
好き嫌い的な判断をしがちなのです.

頭ごなしに非難するのではなく、まずは議論の共通の土台として
この書に書かれてあることをしっかりと認識して吟味する必要があると思います.

最新のプレートテクトニクス理論を始め、私たちが身を守るために
そしてこれからの将来を考えるために、知っておかなければならないことが
沢山この書に書かれてあります.

日々の報道では触れられない専門的な話もあります.

伊豆半島がプレート同士の衝突で生まれたこととか、六甲山も同じように
地質変動で生まれたこととか、不勉強で知らなかったことを知りました.

まずは事実をしっかりと知ること、それからその事実に基づいた議論をすること
この本が良い出発点になると思います.

放射線に関するさまざまな勧告や制限についても同様に
土台となる事実の共通認識から始めなければ、議論は空回りとなります.

カテーテル治療の世界で、薬剤溶出ステントが初めて登場した際には
「これでステント再狭窄は完全になくなり、心臓外科医は仕事がなくなる」と
まことしやかに喧伝されたものです.

けれども、その後、薬剤溶出ステントの登場をもってしても
さまざまな臨床的な問題が発生し、まだまだ完全な治療というわけには行きませんでした.

世界中の心ある医師の方々は、こうした問題点に日々真摯に取り組み
少しでも良い治療を目指して頑張っています.

人間である以上、間違いやヒューマンエラーは避けられないものですが
そうしたエラーに対して「誤りを正すに、はばかることなかれ」の精神と行動こそが
一番大切なのではないでしょうか.

また横道に逸れますが、下肢動脈の狭窄に対してもステント植え込み治療が
行われています.心臓と違って、下肢動脈は、股関節や膝関節など
大きく曲がって屈曲する関節の部分の治療に解決するべき問題が残っています.

「Non Stent Zone」という言葉があるように、関節部のような動く部位では
通常のステントを植え込みしても、関節の大きな動きによって
ステントが破損して折れてしまったりするのです.(ステントフラクチャーといいます)
この問題については世界中で解決策が研究されています.

原子炉の話に戻れば、原子炉で使われるさまざまな配管類の耐震性と似ています.
大きな震災による揺れに、配管が耐えられるかどうか
この下肢動脈のステント破損問題と相似性を感じます.

医療にも、まだまだ超えるべき限界があるように
技術・テクノロジーにも絶対というものはなくて、限界はあるはずです.

安全、安心の根拠となる事実や理論を、医療に対するのと同じような観点で
私たち一人一人が吟味検討していかなければならないと思います.

参考に;こちらが中部大学の武田先生のブログです.
 1)武田邦彦 (中部大学)

こちらは河野太郎氏の会見です.
 2)「日本の原子力は全体が利権になっている!」河野太郎議員会見

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