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「大局観」を学ぶ [好きな本]

日々の仕事の追われて、なかなか落ち着くことがありません.

手術や治療を頑張ったにもかかわらず、想定外の合併症に遭遇したり
治療後の経過が思わしくなく、不幸な結果になることもあります.

特に御高齢の方々の治療には、悩みがつきません.
手術適応とわかっていても、手術に堪えられる体力がなかったり
ひどい腎障害や合併症のためにカテーテル治療に
躊躇しまうこともあります.

研修医の頃に「病気ではなく人を診なければならない」と
上司に指導された言葉が最近身にしみています.

「木を見て森を見ない」なんてことがないようにと思いますが
まだまだ修業が足らず、いつもバタバタしている私です.


大局観  自分と闘って負けない心 (角川oneテーマ21)

大局観 自分と闘って負けない心 (角川oneテーマ21)

  • 作者: 羽生 善治
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/02/10
  • メディア: 新書



名人・羽生善治氏が「大局観」の極意について書かれた本です.
日々の迷いを覚まさせてくるような言葉が並んでいます.

・考え抜いても結論がでなければ「好き嫌い」で決めていい
・予期し得ない出来事には「野生の勘」で立ち向かう
・自由闊達な精神が非常識を常識に変える.「今にわかる」
・とりあえず出来ることからこつこつとやる

現役最強の将棋棋士である羽生氏の考え方はとても勉強になります.

カテーテル治療の世界も、将棋の世界と同様に
すごいスピードで技術革新が進んでいます.

勉強と修業を怠れば、すぐに時代遅れになってしまうほどです.

若い頃のような体力がなくなってきた私にとって
これからも医療の世界で頑張るために、この「大局観」は
有用なのかなと感じます.

羽生氏によれば「大局観」とは
 ー勝負の手を読む力は若い時が上だが、棋士は年齢を重ねるごとに
 「大局観」を身につけ、逆に「いかに読まないか」の心境となる.
  それは年齢とともに熟し、若き日の自分とも戦える
  不思議な力を与えてくれるものである.ー
とあります.

ついつい目先のことに捕らわれがちな自分を反省して
少しでも先を見通す力が身に付けたいものです.

nice!(7)  コメント(4) 
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コメント 4

Bluemoon

お疲れ様です。
なるほどと思いました。
奥深いです。
いーっぱい考えて、やっぱり心臓がカテが好きです(^^)
もっと、いっぱい勉強したいと思います(^^)v
by Bluemoon (2011-02-13 17:16) 

yangt3

>Bluemoonさん、やっぱり好きなことをするのが一番
長続きすると思います.
先を見通す力を身に付けるには、まだまだ修業が必要ですが...
by yangt3 (2011-02-13 20:57) 

T-CHIRO

この本もいいですね!是非読んでみます。
医療の世界から少し離れてからは医療の常識に結構天邪鬼になってます(笑)
大局観もやはり、武道でいう「無」なんでしょうね。私の尊敬する先生の本にも身体に触れているときは何も考えない=集中で、いらぬことを考えるより身体の微妙な変化を感じやすいんだと思うのですが、その境地にいく道は死ぬまでなんだと思ってます。読む過ぎると自分で作って自己満に陥ることもあるんですよね(笑)
by T-CHIRO (2011-02-14 19:30) 

yangt3

>T-CHIROさん、大局観というか物事を俯瞰する力は
やはり年月と経験がものをいうのでしょうね.
若い時のがむしゃらな頑張りが出来なくなってから
身に付くものなのでしょうか.
一生追い求める理想なのかも、です.
by yangt3 (2011-02-15 00:12) 

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