「喜嶋先生の静かな世界」を読みました [コーヒーブレイク]
森 博嗣 氏の 「喜嶋先生の静かな世界」が
iTunesで電子書籍として出ていたので、さっそく入手して読了しました．
iTunes App Store で見つかる iPhone、iPod touch、iPad 対応
森博嗣 喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr. Kishima
http://itunes.apple.com/jp/app/id403693912?mt=8
ミステリでもなくSFでもなく、学問、研究、大学について語られた自伝的小説です．
いままで読んだ森氏の本の中でも、一番自分にしっくりした作品でした．
最初から最後まで、休みなくiPad で読み切ってしまいました．
ー僕は文字を読むことが不得意だったから、
小学生のときには、勉強が大嫌いだった．
そんなに本が嫌いだったのに、4年生のときだったと思う、
僕は区の図書館に1人で入った．
その頃、僕は電波というものに興味を持っていたから、
それに関する本を探そうと思った．
その1冊を読むことで得られた経験が、たぶん僕の人生を決めただろう．
意味のわからないものに直面したとき、
それを意味のわかるものに変えていくプロセス、
それはとても楽しかった．
考えて考えて考え抜けば、意味の通るがやがて僕に訪れる．
そういう体験だった．小さかった僕は、それを神様のご褒美だと考えた．ー
この本を読むと、まるで哲学書を読むように
自分について、人間関係について、学問について、仕事について
より深く考える事が出来るようになった気がしました．
巷にあふれるハウツー式の自己啓発書より、はるかに刺激を与えてくれます．
私自身は大学から離れて地方の職場で、毎日奮闘中ですが
学生時代に出会った研究に従事している先生方の
ある種のすごみとか、覚悟とかを思い出しました．
学生だからこそ研究室で気楽に過ごせたのだと思います．
「研究というものに対する姿勢というのか、
分野を越えて通用する普遍的な手法、
あるいは精神が存在するためかもしれない」
なんのための学問か、なんのための仕事か、社会に貢献するということについて
自分自身の仕事に向きあう姿勢をもう一度
きちんと考えてみたいと、そんな気持ちになりました．
「したくないこともしなければならないけれど、
それは、したいことをするために必要な準備、あるいは
練習だと考えた．いつも真っ直ぐには進めない．
回り道をしなくてはいけないことだってある．
ただ、一番やりたいことのために、
できるだけエネルギィをたくわえておく．
一番大事な時間のためには、ほかのことは
少々犠牲になってもしかたない．」
考えてみれば、仕事に追われて、ずいぶん大切な時間を
無為に過ごしてしまったような気がします．
本当にやりたいこと、一番大事な事を改めて考えてみました．
最近読んだ本の中で、特別な一冊になりそうです．
こんな素晴らしい作品をもっと沢山、iPadで読めるようになって欲しいです．
iTunesで電子書籍として出ていたので、さっそく入手して読了しました．
iTunes App Store で見つかる iPhone、iPod touch、iPad 対応
森博嗣 喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr. Kishima
http://itunes.apple.com/jp/app/id403693912?mt=8
ミステリでもなくSFでもなく、学問、研究、大学について語られた自伝的小説です．
いままで読んだ森氏の本の中でも、一番自分にしっくりした作品でした．
最初から最後まで、休みなくiPad で読み切ってしまいました．
ー僕は文字を読むことが不得意だったから、
小学生のときには、勉強が大嫌いだった．
そんなに本が嫌いだったのに、4年生のときだったと思う、
僕は区の図書館に1人で入った．
その頃、僕は電波というものに興味を持っていたから、
それに関する本を探そうと思った．
その1冊を読むことで得られた経験が、たぶん僕の人生を決めただろう．
意味のわからないものに直面したとき、
それを意味のわかるものに変えていくプロセス、
それはとても楽しかった．
考えて考えて考え抜けば、意味の通るがやがて僕に訪れる．
そういう体験だった．小さかった僕は、それを神様のご褒美だと考えた．ー
この本を読むと、まるで哲学書を読むように
自分について、人間関係について、学問について、仕事について
より深く考える事が出来るようになった気がしました．
巷にあふれるハウツー式の自己啓発書より、はるかに刺激を与えてくれます．
私自身は大学から離れて地方の職場で、毎日奮闘中ですが
学生時代に出会った研究に従事している先生方の
ある種のすごみとか、覚悟とかを思い出しました．
学生だからこそ研究室で気楽に過ごせたのだと思います．
「研究というものに対する姿勢というのか、
分野を越えて通用する普遍的な手法、
あるいは精神が存在するためかもしれない」
なんのための学問か、なんのための仕事か、社会に貢献するということについて
自分自身の仕事に向きあう姿勢をもう一度
きちんと考えてみたいと、そんな気持ちになりました．
「したくないこともしなければならないけれど、
それは、したいことをするために必要な準備、あるいは
練習だと考えた．いつも真っ直ぐには進めない．
回り道をしなくてはいけないことだってある．
ただ、一番やりたいことのために、
できるだけエネルギィをたくわえておく．
一番大事な時間のためには、ほかのことは
少々犠牲になってもしかたない．」
考えてみれば、仕事に追われて、ずいぶん大切な時間を
無為に過ごしてしまったような気がします．
本当にやりたいこと、一番大事な事を改めて考えてみました．
最近読んだ本の中で、特別な一冊になりそうです．
こんな素晴らしい作品をもっと沢山、iPadで読めるようになって欲しいです．
こんばんは。tonarinoです。
私もこの作品をiPadで読みました。
以前短編集に収録されていた
「喜嶋先生の静かな生活」の長編版ですよね。
読み終わった後、独特の読後感がありました。
tonarinoもほぼ臨床の仕事なのですが、
森博嗣作品を読むと、どうしても大学での研究に
あこがれてしまいます。
ただ自分が研究職の立場に置かれたら
非常に大変な思いをするのだとは思いますが…。
森博嗣氏は以前から日記で電子書籍の可能性を述べていたので、
appleユーザである氏はiPadの噂が出たときからiTunes storeで
電子書籍を発行することを考えていたのではないでしょうか。
今年もyangt3先生のブログを楽しみに拝見させて頂きます。
by tonarino (2011-01-04 19:35)
>tonarinoさん、コメントありがとうございます．
隣の芝生は青く見えるという心理かもしれませんが
普段あまり知らない世界に漠然とした
あこがれのような気持ちを抱く事がありますね．
そうそう現実は甘くないので
やっぱり自分の持ち場を頑張って守るしかないのでしょうね．
by yangt3 (2011-01-05 09:10)
以前にも少し書きましたが、尊敬する先生の本の中に自分の人生の究極の目的を見つけなければいけないと書いてありました。それがまたスピリチュアルを高めよに繋がるのですが、なんとなく似てることが書いてあるように感じました、機会があれば読んでみたいです。
by T-CHIRO (2011-01-07 17:21)
>T-CHIROさん、コメント、niceありがとうございます．
良き師に巡り合うことは、なかなか大変ですが
良き本に出会う事は、それよりは簡単かもしれません．
とにかくも手当たり次第に乱読の毎日です(^.^)
by yangt3 (2011-01-08 14:14)