心の謎をゲノムで解き明かす [好きな本]
病院スタッフの中でも、以外に血液型占いが好きな人が多いです.
血液型占いにそれほど科学的根拠があるわけでないと思いますが
それでも血液型の話になると、ちょっと盛り上がったりします.
職場に新しくやってきたスタッフも血液型の話しをきっかけに
周りと早く溶け込んだりすることができます.
職場の宴会などの席でも、あまりなじみのないスタッフとも
とりあえず天気とか血液型の話をしておけば、何となく楽しく過ごせます.
血液型は一種のコミニケーションツールとして、それなりに重宝されています.
実際のところはどうなんでしょうか.
遺伝子情報、ゲノムで性格や心がわかるのでしょうか.
宮川剛氏は藤田保健衛生大学総合医科学研究所教授を務めておられる方です.
有名な利根川進博士と共同研究の経験もある脳科学研究のスペシャリストです.
宮川氏は、人の心の謎に対して
遺伝子改変マウス(ノックアウトマウス)を用いた
行動様式の研究というアプローチで挑まれています.
この本では、自信の研究成果を中心に、遺伝子と心の関係について
紹介されています.
脳の歯状回と呼ばれる部位での神経細胞の発現に
特定の遺伝子が関連していることがわかりやすく書かれてあります.
さらに最近アメリカで拡がっている個人向けの遺伝子解析サービスについても
紹介されています.
今では、100万もの遺伝子型をわずか2万円強で調べてくれる
個人向け遺伝子解析サービスがあるそうです.
遺伝子研究が凄いスピードで進む現代において
望むと望まざるにかかわらず私たちの生活の中にこうした
遺伝子に関係したビジネスサービスが浸透してきています.
宮川氏は、こうした遺伝子解析サービスの問題点についても書かれています.
例えば保険加入や就職、結婚時において遺伝子情報が差別に繋がる可能性、
さらには遺伝子情報のセキュリティはどうなるかについてです.
遺伝子ビジネスが拡がるにつれて疑似科学的な粗悪サービスも増えることが
懸念され、それに対してどのように対応し、規制を考えていくか
わかりやすく解説されています.
ちょうど最近のNEJMにもこうした消費者向けの
ゲノムワイドプロファイリングについての論文が掲載されていました.
現時点ではゲノム解析による一般集団への影響は不明ということです.
この本では、血液型占いについても脳科学とゲノムの立場から
解説されていてぜひ一読をお勧めします.
先日の記事で紹介したクロニンジャー博士のパーソナリティ理論についても
触れられています.
ドーパミン、セロトニンなどの神経伝達物質受容体の遺伝子による
ばらつきの影響はせいぜい3%程度を説明するにすぎないということです.
まだまだ現状では遺伝子解析でそれほど単純明快に心の問題を
解決するには至っていないです.
遺伝子や血液型に興味のある医療スタッフは多いと思いますし
とても分かりやすい本ですのでオススメです.
参考までにこちらが、この本で紹介された遺伝子解析サービスを
行っている23andMeのサイトです.
1)Genetic Testing for Health, Disease & Ancestry; DNA Test - 23andMe
199ドルで簡単に遺伝子解析が受けられるそうです.
ネットで申し込む形式なので、米アマゾンで本を買うのと同じ感覚なので
簡単でびっくりですね.
さらにこちらはゲノムプロファイリングに関するNEJMに掲載された論文です.
2)The New England Journal of Medicine 日本版
疾患リスクの評価を目的として消費者に直接販売される ゲノムワイドプロファイリングの影響
血液型占いにそれほど科学的根拠があるわけでないと思いますが
それでも血液型の話になると、ちょっと盛り上がったりします.
職場に新しくやってきたスタッフも血液型の話しをきっかけに
周りと早く溶け込んだりすることができます.
職場の宴会などの席でも、あまりなじみのないスタッフとも
とりあえず天気とか血液型の話をしておけば、何となく楽しく過ごせます.
血液型は一種のコミニケーションツールとして、それなりに重宝されています.
実際のところはどうなんでしょうか.
遺伝子情報、ゲノムで性格や心がわかるのでしょうか.
「こころ」は遺伝子でどこまで決まるのか―パーソナルゲノム時代の脳科学 (NHK出版新書)
- 作者: 宮川 剛
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2011/02/08
- メディア: 新書
宮川剛氏は藤田保健衛生大学総合医科学研究所教授を務めておられる方です.
有名な利根川進博士と共同研究の経験もある脳科学研究のスペシャリストです.
宮川氏は、人の心の謎に対して
遺伝子改変マウス(ノックアウトマウス)を用いた
行動様式の研究というアプローチで挑まれています.
この本では、自信の研究成果を中心に、遺伝子と心の関係について
紹介されています.
脳の歯状回と呼ばれる部位での神経細胞の発現に
特定の遺伝子が関連していることがわかりやすく書かれてあります.
さらに最近アメリカで拡がっている個人向けの遺伝子解析サービスについても
紹介されています.
今では、100万もの遺伝子型をわずか2万円強で調べてくれる
個人向け遺伝子解析サービスがあるそうです.
遺伝子研究が凄いスピードで進む現代において
望むと望まざるにかかわらず私たちの生活の中にこうした
遺伝子に関係したビジネスサービスが浸透してきています.
宮川氏は、こうした遺伝子解析サービスの問題点についても書かれています.
例えば保険加入や就職、結婚時において遺伝子情報が差別に繋がる可能性、
さらには遺伝子情報のセキュリティはどうなるかについてです.
遺伝子ビジネスが拡がるにつれて疑似科学的な粗悪サービスも増えることが
懸念され、それに対してどのように対応し、規制を考えていくか
わかりやすく解説されています.
ちょうど最近のNEJMにもこうした消費者向けの
ゲノムワイドプロファイリングについての論文が掲載されていました.
現時点ではゲノム解析による一般集団への影響は不明ということです.
この本では、血液型占いについても脳科学とゲノムの立場から
解説されていてぜひ一読をお勧めします.
先日の記事で紹介したクロニンジャー博士のパーソナリティ理論についても
触れられています.
ドーパミン、セロトニンなどの神経伝達物質受容体の遺伝子による
ばらつきの影響はせいぜい3%程度を説明するにすぎないということです.
まだまだ現状では遺伝子解析でそれほど単純明快に心の問題を
解決するには至っていないです.
遺伝子や血液型に興味のある医療スタッフは多いと思いますし
とても分かりやすい本ですのでオススメです.
参考までにこちらが、この本で紹介された遺伝子解析サービスを
行っている23andMeのサイトです.
1)Genetic Testing for Health, Disease & Ancestry; DNA Test - 23andMe
199ドルで簡単に遺伝子解析が受けられるそうです.
ネットで申し込む形式なので、米アマゾンで本を買うのと同じ感覚なので
簡単でびっくりですね.
さらにこちらはゲノムプロファイリングに関するNEJMに掲載された論文です.
2)The New England Journal of Medicine 日本版
疾患リスクの評価を目的として消費者に直接販売される ゲノムワイドプロファイリングの影響
お疲れ様です。
血液型の話って盛り上がりますね(^^)
頭ではわかっていても占いって楽しいです。
意外に当たってるなぁってこともありますしね(笑)
by Bluemoon (2011-02-17 20:11)
>Bluemoonさん、血液型の話は
いろいろ話のたねになり、座が盛り上がりますね.
科学的な分析は、なかなか難しいようです.
by yangt3 (2011-02-17 21:49)
心の問題はいきつくところは遺伝子なのかもですが、人生を歩んでいく上での後天的な問題も多々あるので、心の問題は面白くもあり、複雑でもありますね。カイロプラクティックの最新の動向は神経学に傾いていて、とくに中枢神経系大への検査、アプローチなどで、将来的にはそちらの方向にシフトしていくような予感です。
ただ・・・心だけでないのが人間の身体であります(笑)
by T-CHIRO (2011-02-18 18:48)
>T-CHIROさん、心と体の問題は古くて新しい問題ですね.
遺伝子解析の進歩が少しずつ答えを出してくれることを
期待したいです.
by yangt3 (2011-02-18 21:46)
脳科学あるいはゲノムの立場から、血液型と性格との関連はないですか。
by Lei (2012-03-06 20:58)