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コンサルテーション・スキル 他科医師支援とチーム医療 [好きな本]

医学書は自分の勉強のためと思って、定期的にチェックして
目ぼしい本は、ネットで購入しています.

どの本もかかわった先生方が一生懸命に執筆されているのが伝わります.
ただし共同執筆だと、どうしてもページ数の制約があるためか
ちょっと物足りない感じになることはあります.

ICUブックのように一人の著者が最初から最後まで好きなように書くという
スタイルの本がけっこう面白いです.

研修医の頃は、とにかく仕事を覚えるために
ちょっとアンチョコではありますが各種のマニュアル本を漁っていました.

さすがに最近は、単なるマニュアル本や教科書のたぐいは
ちょっと飽きてきたというか、集中力が続きません.

なんとなく何処かで聞いたことがあったりで新鮮味のある本が
少なくなったせいかもしれません.

自分の専門領域については、その後も少しずつ勉強を続けて
なんとかアップデートするようにしていますが
どんどん専門分化が進んでいくので本当に大変です.

専門分野から外れることは、教科書を読んで自分で勉強するよりも
積極的にその道のプロに頼んだほうが、自分にとっても患者さんにとっても
幸せだと思います.

一人でこつこつと勉強するよりも、プロのサマリーを聞いたほうが
効率良いような気がしています.

あらゆる分野の専門医師に簡単にアクセスできて
相談できる環境であれば素晴らしいのですが、なかなかそんな訳には
いかないのが現状です.

病院の中では、専門医がその専門性をフルに発揮できるのがベストです.
専門医師が専門以外の仕事に追われるのは、やっぱりどうかと思います.

専門分野を持つ医師たちが、病院の中できちんとチームとして機能することが
大切なのだと思います.なかなか実現は難しいです.

現在では医師のバックグラウンドも多様化しており
同じ大学出身とか、同じ大学医局出身とかという状況ではないことが多いです.

現場でのスタッフ不足、医師不足が問題となる以上
医師同士のコミュニケーション、コンサルテーションがうまくいくかどうかは
病院にとっても、患者さんにとってもある意味、死活問題になります.

医師同士がお互いに能力を高めあうような関係でなければ
病院の仕事もストレス一杯で楽しくないです.

なんとなく題名に魅かれて購入した本ですが、久々のヒットでした.


コンサルテーション・スキル

コンサルテーション・スキル

  • 作者: 岩田 健太郎
  • 出版社/メーカー: 南江堂
  • 発売日: 2010/12/22
  • メディア: 単行本



非常に面白い本でした.書かれた岩田先生は感染症の専門なのですが
話は感染症コンサルテーションに留まらず、病院や組織における
問題点を次々と俎上に上げられています.

このやり方や方法が正しいというような、これまでのマニュアル本ではなく
次々と頭の中のちゃぶ台をひっくり返されるような感じですが
ちょっとわくわくして、現場での仕事や人間関係にいろいろとヒントをもらえます.

医師と医師だけでなく専門や職種の異なるスタッフ同士の
異種格闘技コンタクトでも、ちょっと役に立つと思いますので
全ての病院スタッフの方々にお勧めしたいと思います.

ちなみに著者の岩田先生は、Macユーザーです(この本にも証拠写真が載っています).
なんとなく勝手に親しみを感じてしまいます.

あと内田樹さんの話も出てくるのですが、やっぱりお二人になんとなく共通点を
感じた私でした.

逆境こそチャンスであるとか
他の人を変えるためには、まず自分が変わらなくてはいけない、などなど
うんうんとうなずける話が沢山ありました.

本当に患者さんにとって良い仕事をするためには
一人の力では不十分です.他科医師を支援し、時には支援をしてもらって
良きチーム医療を目指していきたいと思います.

いろいろ愚痴を言ってもしょうがないので
この本を参考にして、まず自分から変わっていこうと思います.

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コメント 4

Kim

おー岩田先生がMacユーザーだったとは!確かに親しみを感じますね。私も是非読んでみたいです。

岩田先生は何故かリラックマのデザインのブログをされていますね。楽園はこちら側というブログです。

by Kim (2011-01-27 10:34) 

T-CHIRO

最近友人に貸してもらったCDに一人でできることはしれているということ、
他の人に愛してもらいたいんだったら、まず自分から愛してあげなきゃetc・・の話がありました(笑)
by T-CHIRO (2011-01-28 10:01) 

yangt3

>Kimさん、コメント、niceありがおつございます.
本の語り口も、けっこう気に入っています.
Macユーザーに悪い人はいない、ということでしょうか.
by yangt3 (2011-01-28 22:24) 

yangt3

>T-CHIROさん、コメント、niceありがとうございます.
愛情とかリスペクトをもって他の人に接すると
少なくともひどい目にはあわないと思います.
by yangt3 (2011-01-28 22:25) 

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