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カイシャデイズ [日記]

研修医の頃は、なにが大変だったかといったら三日に一回の当直は
さることながら、当直明けだろうとおかまいなく、先輩たちからの
情け容赦ない愛情たっぷりの飲み会への誘いでした.

上級医師の先生たちも先輩たちも今から思えば、まだまだ若手の
先生方が中心だったので、仕事もアフターもばりばり元気でしたから
当然飲み会も、かなりのものでありました.

そしてお酒が入ると、型通り、先輩たちのありがたい説教を
ひたすら拝聴することになります.

研修医の頃におそらくは生涯で一番説教してもらったのではないでしょうか.
医療の本質とか、医師としての心得とか、けっこう純粋な議論もありました.

あれから幾年月、自分もベテランと呼ばれる年齢になって
今更、「人生の目的」とか「なんのために仕事をしているのか」なんて
青臭い議論は気恥ずかしくて、語り合う相手もいなくなりました.

仕事に追われて、いろいろなしがらみで、にっちもさっちもいかなくなって
自分の無限の未来と夢を信じていられた、若い頃の説教が懐かしいです.


カイシャデイズ (文春文庫)

カイシャデイズ (文春文庫)

  • 作者: 山本 幸久
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/03/10
  • メディア: 文庫



コワモテだが人望厚い熱血営業チーフ、作業服を誰よりも着こなす施工監理部員、
無断欠勤するボンボン新入社員、しっかりものの庶務女史などなど.

内装専門のココスペースという小さな会社での「カイシャデイズ」が語られます.

医療とは全く関係のない物語なのですが、若い頃の働く気持ちとか喜びを
もう一度思い出させてくれる素敵な本です.

個性豊かなココスペースの社員たちの誰かに、きっと自分に似た人を
見つけられると思います.

今更青臭い話だけど、やっぱり自分で納得のいく仕事をしたいですね.

今はなき上司と、気の置けない勝手知ったる沢山の仲間たちとともに
苦しくも一生懸命に仕事に打ち込んでいたあの日々のことを思い出します.

皆が生き生きと輝いている所に人は集まるはずです.

管理職になって、現場から遠ざかって悲しい思いを抱いている諸兄も
この本でもう一度元気が出てくるはずです.

でもくれぐれも急ぎの仕事がある時には読まないほうが良いです.
おそらくは最後まで徹夜してでも読んでしまうかもしれません.お勧めです.

働く理由はいろいろあるでしょうけど、やっぱり自分らしく、です.

「今の仕事、楽しくて、やりがいがある」って自信をもって
言えるように、です.

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