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頭が良くなる議論の技術 [日記]

医師の仕事が、外来や検査・治療など患者さん相手の仕事だけなら
モチベーションも上がるというものですが、実はそれだけではないのです.

診断書やレセプト、紹介状、退院サマリー、治療記録など膨大な書類の山に
いつも押しつぶされそうになっています.

それよりももっと気が重いのが、院内で開かれる各種の会議です.

今の職場では、割と会議は少なくて楽なのですが、以前に勤めていた職場では
もう数えあげるのも大変で、いちいち会議の名前も覚えてられないほど
沢山の会議があって、ちょっとうんざりしていました.

症例検討会とかカンファレンス、抄読会などであれば、勉強にもなるし
患者さんの治療にも役に立つので、どんどん積極的にやりたいミーティングです.

しかし現実は、会議のための会議としか呼べないような、ろくな議論も出来ないか
あらかじめ根回しが済んで、形式だけの会議とかが多すぎるのが問題で
無意味とはいいませんが、およそ効率の悪い会議が日本全国の現場の医師の
やる気とか活力をそぎ落とし続けているように思います.


頭が良くなる議論の技術 (講談社現代新書)

頭が良くなる議論の技術 (講談社現代新書)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/05/16
  • メディア: Kindle版




ご存知、齋藤孝先生の御著作です.斎藤先生の本は、いろいろ読ませていただいてますが
この本は、ほんとに目からうろこという感じでした.

大学人として、沢山の会議をこなしている斎藤先生の、議論や会議を楽しくするための
ノウハウが惜しみなく書かれています.

・一回の発言は15秒以内で ・論点は混ぜない ・反対する場合は対案を出す
・板書の重要性 ・鶴の一声は禁止 ・自分の主張に反論してみる、などなど
斎藤先生の説かれる「楽しい議論」の方法を学んで実践すれば
会議も楽しくなり、組織の生産性も人間関係も急上昇するという抜群の処方箋です.

空気を読む事が重要視される日本の組織では論理的に正しい議論だけでなく
相手の心情を考慮して、気づかった意見の表現の仕方が求められるというあたり
本当に納得出来ます.正しい事を主張しても孤立することってあり得る事です.

さらには長い議論を重ねた後に、「鶴の一声」で議論が全部振り出しにもどるという
悲しくむなしい体験も何度も経験してものです.
もちろんこの本には、そうした日本社会に特有の会議のさまざまな困難を
乗り越える為のノウハウが沢山書かれています.

その上で、この本ではファシリテーターの役割が強調されています.
テレビ番組のおけるMCのように、会議を効率の良い楽しい議論にして
きちんと議論と会議を仕切っていく役割のことです.

ちなみに最近は、私も学会や研究会などで、座長やコメンテーターなどの
お仕事をいただく機会もあるのですが、そうした仕事の際にも
この本で書かれた議論の技術やファシリテーターとしての技術は役に立ちそうです.

さらには自分のカテチームをまとめていくために
「頭が良くなる議論の技術」はきっと役に立っていると思います.
たしかにカテ室の中では、私がチームリーダーであり、かつファシリテーターです.

つまらない会議も、この本を読んで、自分たちの力で楽しい会議に
変えていきたいものですね.

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